La Vita Romantica

Ali Project( アリプロジェクト ) La Vita Romantica歌詞
1.逢魔ヶ恋

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

貴方を愛したこの口脣が
零しつづけた言葉の欠片
冷たい耳はその心まで
届けることさえ出来ないの?

夜の漣 揺れる木葉に
浮かべた血の文字したためれば
真赤な小さな愛おしい実を
孕んで育てていけますか

天が闇に抱かれる逢魔ヶ刻
ふたりは出逢った
黄金の雲を裂き
稲妻は高らかに

天鵞絨の帳のなか包まれた
物語は幕を開けて
終わりのない御伽話はないこと
知っているけど

誰にも聞かせることなく
この胸にだけ刻んでください

明日の夢など忌まわしいだけ
留まる場処はただ今でいい
逢えぬ貴方は死びとも同じ
触れ得る時だけ真実でしょ?

天が地上に傾く逢魔ヶ刻
ふたりは生まれた
黒い星の冠
絹の髪散らばって

堕ちるところまで堕ちた恋人達が
受ける愛の責め苦に
すべてを焦がして朽ち果てることも
厭わないけれど

確かにふたり生きた証
重ねる身に残してください

天が闇に抱かれて崩れる刻
わたしは葬る
砕けた月の鏡
記憶を繋ぎ合わせ

天鵞絨の帳のなかに帰った
物語に鍵をかけて
忘れられる御伽話はないこと
知っているから

誰にも聞かせることなく
この胸にだけ 刻んでいくだけ


2.跪いて足をお嘗め

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

跪いてお嘗めよ 赤い爪を
縺れた舌で女王様とお呼びなさい

地獄に咲く太陽と
極楽に墜ちる闇と
眩しさと絶望なら
どちらが深いのだろう

頭ノ中カラ薔薇薔薇
散ラシテアゲルワ波羅蜜

秘めやかに疼く傷も
したたかに滴る血も
心の底へと届く
美し貢ぎ物なのに

求めるのが
まだ愛なんて
男達どれほどまで
浅はかな子供だろう

跪いてお嘗めよ 聖なる足
掠れた喉で女王様とお呼びなさい
生きる証 聳える痛みの塔に
這って昇って絶え絶えに
それでも乞うのなら

私の凍りついた涙を融くのは
あなたの最後の一声かもしれない

好色と嗜虐の目と
組み敷かれる屈辱と
恍惚の狭間に視る
哀しき幸福の影

躯ノソコカラ炸裂
逃シハシナイワ絶頂

騙し騙されて繋ぐ
蜘蛛の糸のはかなさよ
信じられるものはもう
何も有りはしないのに

縋りたいのが
なお愛なんて
女達どれほどまで
愚かな生き物だろう

跪いて捧げよ 永久なるもの
渇いた喉で母様と叫びなさい
生きる教え 撓った鞭の音を
数え纏って怖怖と
それでも乞うのなら

純粋と云う 汚物に塗れた宝石を
この手で掬い出せるのかもしれない

横たわって求めよ 甘い舌を
可愛い声で姉様とお鳴きなさい

跪いてお嘗めよ 聖なる足
掠れた喉で女王様とお呼びなさい
生きる証 聳える痛みの塔に
立って昇って絶え絶えに
そうして恋うるなら

私の凍りついた魂を解くのは
再び目覚めるあなたの瞳でしょう


3.裸々イヴ新世紀

作詞:Arika Takarano
作曲:Mikiya Katakura

空を駆ける 自由に優雅に
肩にも心にも少女は翼を持つ
生まれ落ちた世界は美しい
女神さえ支配できない

希望(ゆめ)は暗黒に埋められた星で
見てるだけじゃ輝かず
私のカラダは宇宙船となり
思考の大気を昇って果てそう

平穏に甘んじたら
魂(ハート)がバグ起こす

ねぇあなたのロケットで
軌道修正してくださる?
繋がって確かめ合う
私たちアンドロイドじゃないもの

虹を掛ける 明日へ誰かへ
願えば届くと少しづつ信じてる
進んでゆく世界は果て無い
神にさえ破壊できない

人が抱えた罪もいつか消えて

横たわる夜に曝け出されてく
裸の胸に刺さった
様々な想い 解き放つために
この腕をどこに広げればいい

孤独を浮遊しても
迷路から帰れない

さぁあなたもドアを降りて
抱きしめに来ればいいわ
何もかも脱ぎ捨て合う
地上に堕ちてきた天使のように

夢を賭ける 未来へ地球へ
未知なる莟は開かれるため伸びる
失われた楽園を求め
もう一度イヴへと目覚めよう

人が忘れた愛も再生して

宇宙(そら)を駆ける 自由に優雅に
脳にも背骨にも少女は翼を持つ
創造する世界は美しい
女神にも模倣できない

虹を掛ける 明日へあなたへ
願えば届くといつまでも信じよう
向かってゆく世界は手強い
神になど任せられない

人が守るべき“時”が訪れる
さあ明ける闇に
溺れるヒカリに


4.桃色天国

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

ついばむチェリー
甘いためいきで
なにもかも
くるんでキャンディー

つぶれたパイ
シナモンの舌で
うたってよ
気楽なラブソング

むずかしいことはもう抜きにして
ほら今日だけは
スウィーツ食べて過ごせばいいじゃない

ロココな空
ヴァニラな雲
砂糖菓子の階段
のぼって Heaven
うもれて Sweetly
世界を造るのは
天才パティシェたち

泡立てましょ
ながれるクリィム
あら二人は
溶けてメランジェ

焼けたハアト
そっとカラメリゼ
いつまでも
こうしてたい

悲しいことは忘れていい
ねえ今夜だけは
ハニーを舐めて夢見ていいじゃない

ショコラな夜
ドラジェの星
飴細工の寝台
ねむって Heaven
もたれて Dreaming
世界を創るのは
名もなき恋人たち

不仕合わせだと感じたら
ほらすべて投げだし
お菓子を食べて生きればいいじゃない

ロココな空
シフォンな虹
砂糖菓子の階段
のぼって Heaven
うもれて Sweetly
もぐってミルフィーユ

ショコラな夜
ピーチな月
飴細工の寝台
ねむって Heaven
もたれて Dreaming
世界を味わえる
名もなきわたしたち


5.最愛なる魔王さま

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

黒に染む
翼に包まれて
死するために
わたしは生まれてきた

ただ一目
お逢いしてわかった
胸を貫いた
懐かしさのなかで

跪きましょう
どんな罪よりも
こうして貴方を愛した真が
何よりわたしを
楔に打つ 激しく深く

生娘のように
花を産んで
ときに娼婦の如く
天を揺らす

横たえるこの身は
善も悪も
超えて密やかなる
生け贄となり

捧げ続けましょう
どんな言葉より
こんなに貴方が恋しいと叫ぶ
声にならぬ声
魂が抱く言霊を

この首を掴まれ
息を止めていたい
美しい闇の淵で
そのお顔 見ていたい

倒れ臥すでしょう
絵空事よりも
こうして貴方を愛した真が
見せる幻影の
恐ろしくも麗しい様

この首を掴んで
抱き寄せてください
二度と開かぬ瞼に
そのお姿を永久に


6.王的血族

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

この躰に受け継がれし
血が綴った
系譜の枝を遡って
貴方に会おう

聳える城壁 玉座の間に立つ
孤高の裳を引き摺る 横顔
懐かし誇らし遠き祖先(ちちぎみ)よ
迷える私を導きたまえ

記憶の破片が
ああ胸を突き刺さん

選ばれしは断絶か
血の常しえか
描かれざる道をのぼって
君を探そう

灰色の空に刺さる摩天楼
未来よ そのとき光は在るか
愛おし貴し遠き子孫(おとうと)よ
この孤独に愛を注ぎたまえ

予言は夢を
伝い歌を奏でん

わたしはひとつの王国そのもの
すべてがこの中で眠り目覚めて
流れ 続く

真実が何か見失う夜も
行き場を無くして叫ぶ夜明けも
懐かし誇らし遙か父君よ
私は貴方を超えてここに居る

戦い傷つき翼もがれても
奈落の底に突き落とされても
愛おし貴し遙か弟よ
私は君のために今生きる

こころは偉大な王族そのもの
すべてがこの中で眠り目覚めて
満ちて 続く


7.暗黒天国

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

Darling 目を開けて
この世の悪の巣窟で
啄まれる心を頂戴
逃げもできぬ
幽閉の蒼白の王子よ
わたしが女神

バタフライの羽も
天使の唾液も
あなたをまだ見ぬ極楽へ
連れ出せはしない

腐りかけた自由
垢に塗れた愛(アムール)
煉獄の焔で ZEROから
済世しましょう

不夜の空に 黒いダリア
失する妄想 堕ちる現実
もがけ蟻ジゴク

※Darling 声上げて
このいま刺し違えるほど
大事なものが欲しいのなら
祈りは果てて
牢獄で昇天の姫君
あなたが魔王※

怒りの拳も嘆きの傷も
跡形もなく
溶けて消えて散って泡沫

すべては密猟区
埋もれた罠に
ハメられるのなら
粉々に砕いてほしいわ

死に至らぬ病
心臓には毒薬(プワゾン)
冒されながらも生きる日々
祝福されたし

眼蓋の奥 赤いザクロ
恋する右脳 臆する左脳
つぶせ針の山

Honey 抱きしめて
素肌の絹の光沢で
恍惚(うっとり)しちゃう時間を頂戴
カラダは裂けて
天国で再会の片割れ
ふたりは半神(デミゴッド)

至極の善と魅惑の奈落
約束の地は
何所か其所か夢かうつつか

サアドウゾ 此処イラデ
絶頂ヲ迎エマショウ

Darling 目を開けて
この世の悪の巣窟も
蝕めない心を頂戴
逃げもしない
幽閉の蒼白の王子よ
わたしが女神

(※くり返し)

組まれた指と懺悔の首と
贖う罪は
何か何れか嘘か真か


8.戦慄の子供たち

作詞:Arika Takarano
作曲:Mikiya Katakura

光る眼で闇を読む
恐るべき子供達

生まれてきた時からずっと
愛とは凶器で
真っ赤に濡れた胸を掴んで
傷口に埋めた

腐敗の中から成せる世界には
華やぐ絶望
生かすも殺すもわたしたちの業
犬のように笑い 豚のように泣いて
喚きつづけたあとには
さあどうする

守られあやされ毀れて
息づくこの身は抜け殻
ひび割れ煌めく心の
引き金に指を掛け

守られあやされ壊して
すべてわかったふりをして
撃つのは甲斐なき幻(ゆめ)ばかり

足の生えた亡霊の群れ
遊戯の死を踏めど
生きるために焦がれて探す
ゲートは 地の底に

どんな始まりも終わりの為では
非ざる凶暴
わたしを救うのはわたしたちだけ
敵のように愛し 友のように憎み
偽りながら出会ったわけじゃない

番って求めてさぐれば
みんな沈んでく気がする
上澄みに浮かぶ心は
汚れてはないと知る

番って求め 弄って
涙にならない痛みを
さあ口移しで分け合おう

眠る眼で闇を抱く
哀しみの子供達

守られあやされ毀れて
息づくこの身は抜け殻
ひび割れ煌めく心の
引き金に指を掛け

縛られ囲われ飼われて喰まれて
抗う切なる自由よ

呪って夢みて疎んで祈って
運命よ!
生きたいと願う
まだ残れるわたしの命


9.コヒブミ

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

どんなにあなたが探したって
見つかるわけない
わたしが持つのは黒い羽

天使たちの亡骸
抱いてそして誰もが
泣けばいい

愚かに愛など求めるなら
沈黙の中に
心をおもねるべきだろう

生きるための幻想
死するゆえの純粋
混じり合う

ああわたしは知っている
終末の行方さえ
闇の涙で書いた
死後文の切れ端に

最後にもっとも
大切なものは何か

少女たちの亡骸
見詰めそして誰もが
悟ればいい

もうあなたは知っている
運命の行方さえ
薔薇の血で認めた
恋文の一節に

最後にもっとも
美しいものは何か


10.吾君想う故に吾在り生き霊となりて

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

瞼を抉ろうと
見えるのは同じもの

まっすぐ立ってますか
現し世の その わたし

眠るあなたをまた
見下ろしてるの

月を背に影も曳かず
たゆたう幻のように
腕もなく足もなく
なお指もなく

それでもわたし
あなたに触れているでしょ
全身全霊

在るのが恨みなら
爪も毒 染めるのに

左の胸の下
溜まる愛 その血だけ

消えた恋を
捉えていられるほど

記憶は意味を持たない
人が生きる場所は何処
今はここでも行方は
もうどこにもなく

こうしてわたし
あなたのそばを巡って
流水落下

月を背に影も曳かず
たゆたう幻のように
涙もなく熱もなく
なお息もなく

それでもわたし
あなたに触れているのよ
全身全霊


11.輪廻闇妖散華

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

風が散らばる
雲が裂かれる
月は欠けもせず
神獣鏡 宿す闇

君謡う声音へと
女人が舞い降りて
羽衣脱ぎ捨てて沐浴す
滴弾くは白尾
花を食らうは牙
妖の影
日蓋に映らんか

私はいつも此処に 此処にいる
君のすぐ前に
どんなモノに姿を 変えたとて
君のすぐそばに

この世とあの世を行き交う吾等に
安息の地はなくも

刻が重なる
空(くう)が罅入る
城に灯なく
天守閣 棲まう夜

君が吹く笛の音に
鬼が来たりて哭く
草陰に満つる黒い涙
怪異なる容(かんばせ)に
夢の香の名残を
覚えるだろう
その手は触れもせず

私はいつも此処に 此処にいる
君のすぐ前に
どんなモノに姿を 変えたとて
君のすぐそばに

私はいつも此処で 此処で死す
君の目の前で
たとえいくど命を 得たとても
君のそばで死す

この世とあの世を行き交う吾等に
安棲の地はなくも


12.コトダマ

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

見つめてるものの
本当の姿
目を閉じたあとに見せるため
また今日も時は
引き裂かれそうな
孤独だけ紡ぐだろう

闇に咲く白蓮
忘れ得ぬ人々
それでも追憶は
未来から訪う

吐息に変わる言葉たちは
羽化する魂の翼よ

舞い散るでしょうか
迷って乱れて
あなたへと刻みたい
この文字が

伝えたいことの
真実の欠片
それさえもうまく届かない
指先に滲む血で認めたら
こころまで零せますか

生きるわれらに
残された一言が
サヨナラだとしても

眸に宿るのは
消えそうな夕星
見詰め合えたらいい
そこに夜を点そう

生まれる前の言葉たちが
ふたりの隙間に横たわる

聞こえるでしょうか
歌が歌が
その耳にだけ捧げたい
この声が

信じられるほど
確かな何かが
この世にどれだけあると云う
愛とか夢とか
曖昧なものに
縋り付きたいのは何故

ああでも今は
残されたぬくもりを
抱き留められるなら

見つめてるものの
本当の姿
目を閉じたあとに見せるため
また明日も時は
引き裂かれそうな
孤独だけ紡ぐだろう

伝えたいことは
からだの奥底
あまりに沈んで届かない
指先に浮かぶ血で認めたら
こころまで送れますか

生きるわれらが
最後に育てるのが
サヨナラばかりだとしても


13.地獄の門

作詞:宝野アリカ
作曲:宝野アリカ

蛇に魅入られたら 真っ逆さまに
堕ちよ 蛇の道深く
憎しみはたわわに
虚実は花と咲き乱れ実る
夢の瑕疵の 唾棄すべき腑

手をかけよ
命を以って
蒼白に開く指
まみえる前に

もしもおまえが
暗殺者ならば
迷い 嫉み
打ち砕くことができようか
悶絶せよ

堕落するときは いっそ見事に
血を吐き 毒に塗れ
奈落へと向かわん
其処でしか見えない天を仰ぎ
灼け爛れてゆく
明日を嗤えよ

縋り付き
這い上がる
鉄の汗 舌にのせ
喘ぎは至極

悪も穢れも
生きてゆくこその
痛み 証
涙を汚すより貴く
闘争せよ

愛を知りたくば 真っ暗がりへ
求めよ 赤子のように
叫びの胤の中
産まれるまえの闇 甦らん
選ぶがいい 戻るのか行くのか

もしもわたしが
征服者ならば
人の心
忘れ去ってしまえるだろうか
陥落せよ

邪に魅入られたら 真っ逆さまに
堕ちよ 蛇の谷深く
悦びはうららに
月華さえ最後に辿り着くは
底の土 静かなる塋域

堕落すべきとき さあさ華麗に
血を抱き 毒に淫し
奈落へと向かわん
この世の終わりには
果てがないと 嗚呼知るがいい
悶え盛る日々に!